2021.05.14

実施レポート 第80回 名大カフェ "Science, and Me"

  • SHARE
  • Facebookでシェアする
  • Twitterでシェアする
  • LINEで送る

実施レポート 第80回 名大カフェ  "Science, and Me"

2021年4月22日に開催しました 名古屋大学との共催イベント 

名大カフェ〝Science, and Me" 実施レポートをお届けします!

 

今回の講師は名古屋大学 水多 陽子先生

最新技術によるカラフルでダイナミックな映像とともに、花の中のいのちの神秘について分かりやすく丁寧にお話しいただきました。

 

アーカイブ動画のご視聴は こちらからどうぞ↓↓

 

【今回の講師紹介】

水多 陽子 氏(名古屋大学 高等研究院・トランスフォーマティブ生命分子研究所 YLC特任助教) 1981年宮城県仙台市生まれ。 総合研究大学院大学遺伝学専攻五年一貫博士課程修了、博士(理学)。 国立遺伝学研究所研究員、名古屋大学大学院理学研究科研究員、JSTさきがけ研究員を経て、 2019年より現職。専門は植物生殖、顕微鏡イメージング

 

【セミナー実績レポート】

 

◾︎ 身近に溢れる花には秘密がある。

 

私たちの周りにはたくさんの「花」があります。 地球上には様々な種類の植物がある中で、実はその90%が「花を咲かせる植物」であり、なんと25万種以上が存在すると言われています。 植物は花を咲かせると、タネが出来ます。 トウモロコシ、お米、りんごのタネ、小麦などは全て花が開いた結果として出来たタネです。 植物にとってタネはいわば子孫。花を咲かせることは、命を繋いでいくための大事な作業なのです。 私たちはそのタネを食べたり、利用したりするので、このタネができる仕組みを知ることは、人類や地球規模の問題解決、私たちの生活にも重要になってくる部分と言えます。

 

◾︎ タネがどのようにできるか? 今一度理解していこう。

 

花が咲いた後、タネができる。この過程に関しては、多くの方が学校で学んでいるかと思います。 ここでは、新しい知見を交えながら、改めて説明していきます。 咲いてからタネになるまでには、花の中ではどんなことが起こっているのでしょうか? まず、花が咲いた後、花粉ができます。 花粉は花によって形状、サイズも異なりますが、どの花粉にも「精細胞」が存在します。 花が咲いて、おしべから花粉がめしべにくっつくと、そこから管状の花粉管(かふんかん)という細胞が伸びていきます。 この花粉管が胚珠(はいしゅ)へ辿り着き、精細胞を届けて受精することで、タネができるのです。 花粉管は精細胞を胚珠に運ぶ為の管になるのですが、水多先生はこの花粉菅を胚珠へと引き寄せる物質の研究を行っています。

 

◾︎ 花粉管を引き寄せる物質「LURE」(ルアー)の発見

 

名古屋大学の豊田講堂には夏、トレニアという花が咲きます。 このトレニアの花を使った研究で水多先生は花粉管誘引物質を発見されました。 花粉管誘引物質は短いアミノ酸でできており、LURE(ルアー)という名前が付けられています。 名前の通り、フィッシングのルアーのように胚珠から出てきて、花粉管を引き寄せるのです。 このLUREによって、胚珠に精細胞が届けられ、受精していくのですが、 胚珠は花粉管と1対1で受精するという謎が実は存在していました。 枝豆を例にあげますが、豆が同じような形で皮の中にあるのは、胚珠に精細胞が均一に配られ、タネができているからです。 1つの胚珠に複数の花粉管が集まってしまうと、残りの胚珠が受精しなくなり、タネが少なくなったり、小さいタネが出来てしまいます。 自然界では、6個の花粉菅、6個の胚珠がある場合、それぞれに綺麗に向かっていく傾向があります。 “これは、胚珠それぞれが1本1本正確に機能しないと成り立たない傾向であり、ただLUREで引き寄せているだけではなく、 他の花粉管が来ないよう、反発する仕組みが胚珠にはあるのではないか。“ このような仮定を顕微鏡イメージングと遺伝子の働きから水多先生は解き明かしていきました。

 

◾︎ 世界で初めての観察の成功

 

これまでの顕微鏡イメージングでは、エタノールで固定し細胞を死滅させて中身を見るか、生きたままおしべ、胚珠、花粉管を取り出して見るか、の方法しかなく、細胞を死滅させると生きているままの動きの観察ができず、解剖した場合は位置が変わってしまいました。 この問題を解決する為、ノーベル化学賞の受賞対象となった緑色蛍光タンパク質GFPを使い、見たいところだけを生きたまま、特定の色で光らせて観察する新しい手法を生み出しました。 さらに生きたままの花の中身を透視できるように、2光子励起顕微鏡を使うことで、世界で初めて花の中を最大24時間生きたまま観察することに成功しました。 セミナーの動画の中では、光った花粉管が幻想的に動く様子を見ることができます。 今回の観察で生きたまま花粉管を光らせることで、花粉管は上から順に胚珠へと伸びていかないことが初めて分かりました。 ではその順番はどう決めてるのか? ここで更に植物を透明化して切らずに中身をみる「ClearSee(クリアシー)」という技術を活用しました。 胚珠が成熟すると緑色蛍光タンパク質GFPが光るめしべをClearSeeで観察すると、胚珠が真ん中から成熟していくのに合わせて、花粉管も引き寄せられていくことが分かりました。 胚珠が成熟していることが引き寄せに関して重要だと判明したのです。

 

◾︎ セミナー中のご質問に答えていきます。

 

Q.胚珠が成熟するところにどのように気づかれましたか?

 

A.偶然といえば偶然ですが、研究が進んでいる分野でもあるので、いくつかヒントになるものがありました。 もしかして胚珠って成熟する順番ってどうなんだろう、と気になったことで気づきました。

 

Q.顕微鏡イメージング分野におけるやりがい、また今後、新たに挑戦したい研究内容などがあれば教えてください。

 

A.カラフルに見ることが好きなので、どこまで綺麗に見えるようになるか興味があるが、花粉ができるまでを最近は興味を持っている。 今回は花粉ができた後、タネができるまでを紹介しましたが、花粉ができるまでと、タネができた後にも興味があります。

 

その他のQ&Aに関してはぜひ動画でご覧ください。

 


 

「名大カフェ〝Science, and Me"」とは?

名大期待の若手研究者をゲストに、「研究」というフィールドから見える世界や感動、異分野とのコラボレーションへの期待などをMCとのトーク形式で語ります。

 


 

名古屋大学×松坂屋名古屋 包括連携

松坂屋名古屋店では、2017年から名古屋大学と包括連携協定を結び、サービスイノベーションとエリア魅力開発に貢献する取り組みを行っています。

こちらのブログを通して取り組みの内容をご紹介させていただきます。

 


 

 

ショップ情報

ショップ名

名古屋大学×松坂屋名古屋 包括連携

フロア
カテゴリー
その他

RECOMMEND BLOG